タイの教育改革:シンガポールとベトナムの教訓2

シンガポールの成功は、高度に熟練した教育者を育成する国の能力故でもあります。将来的な教師は高校卒業生の上位3分の1から選抜されます。質の高い人々をリクルートし、優れた訓練と支援を提供することにより、教育者は多くの人がなりたがる、高評価を受ける職業に発展しました。したがって、適切な報奨は教育者を発展させ、維持する重要な側面であり、シンガポールの教育省は教師の初給与が民間企業と同等を保つことを保証しています。

76の省と1000万人以上の生徒がいるタイでは、シンガポールのすべての教育改革を迅速に模倣するように求められています。ちょうど50万人の学生と400校未満の州立学校しかないシンガポールでは事は比較的容易でしょう。教育についての共通のビジョンを持ったタイでは稀であるシンガポール政府の安定によって、さらに強固になっています。他の側面の実施にはより多くの時間が必要となるかもしれませんが、シンガポールのカリキュラムのペースと数学教育へのアプローチは、タイ当局によって優先的に取り組まれるべきです。

ベトナムは2012年に国際教育コミュニティを驚かせました。15歳の子供たちがPISAに参加し、科学では8位、数学では17位、読書では19位になり、OECDの平均を大幅に上回りました。米国、オーストラリア、英国よりも好成績で会った2015年のPISAの結果は、ベトナムの目覚ましい業績をさらに確かなものにしました。

PISAとは
Programme for International Student Assessmentのこと。経済協力開発機構(OECD)による国際的な生徒の学習到達度調査のこと。日本では国際学習到達度調査とも言われるが英語の原文は「国際生徒評価のためのプログラム」である。(参照元:ウィキペディア

ベトナムの社会的に恵まれない子供たちの結果は、特に刺激的であり、社会的に恵まれない地域の学習者に教育システムが力を与えることができることを示しています。PISAを調整しているアンドレアス・シュライヒャー氏は、「ベトナムの15歳未満の生徒の約17%が、PISA試験に参加しているすべての国や経済状況の生徒の中での上位25%の成績優秀な学生の中にいます。」と説明しました。

ベトナムの教育の成功は、ベトナムでの独立した評価によって確認されています。これによって、PISAのランクが単に試験を受けるスキルを反映したものではないことを確認されています。Young Livesプロジェクトの調査結果によると、ベトナムの生徒の能力は本当に顕著で、ベトナムの10歳の95%が4桁の数字の足し算をすることができ、85%が分数の引き算をすることができます。

シュライヒャー氏は、先進的な政府関係者、集中的なカリキュラム、教育政策の慎重な選択、教員への投資、政治的コミットメントなどをベトナムの成功として挙げています。そのカリキュラムは、シンガポールと同様にコアコンセプトとスキルの深い理解と熟練を得ることを目的としており、タイの現在のカリキュラムとは非常に異なっています。

シンガポールとベトナムのモデルを組み込みことで、緊急に必要とされている教育改革を真に始めることができます。NCPOがこれらの変更を開始しようとするならば、すぐに行動する必要があります。そうすることができないのであれば、民衆の希望に対してより敏感な民主的政府に道を譲らなければなりません。

タイの教育改革:シンガポールとベトナムの教訓1

地域的成功事例が方向性を示しているにもかかわらず、ゆっくりとした軍事政府の学習

2014年に国家平和秩序評議会が政権を握ったとき、タイの失敗した制度を改革することを約束しました。その中で教育が最優先事項でした。しかし18カ月以内に民主的な選挙が行われる予定ですが、実質的な教育改革の兆候は見られていません。近隣諸国に追いつくためには、国のリーダーシップによって決定的な努力が必要となります。

タイの教育制度が不十分であり、改革が緊急に必要とされていることは、政界の両側から認識され、さらには一般の人々によっても認識されています。2015年のNIDAの調査では、タイが最も必要な改革として教育制度を優先させるとの結論が出されました。さらに、タイの教育システムの失敗は毎年強調され、国家評価の平均スコアはほとんど50%を超すことがありません。タイが70カ国のうち55位に入ったOECD生徒の学習到達度調査(PISA)やタイが39カ国のうち26位にランクされた国際数学・理科教育調査(TIMSS)などの最近の国際的な報告書は、タイの教育の悲惨な現状を強調しています。

これらの国際ランキングは、教育者と政策立案者にとって比較するポイントを示すものであり、近隣諸国の成功を調査することで、タイの教育改革の方向性が明らかになります。アセアン経済共同体の中で、シンガポールとベトナムは、重要な改善を行い、現在英国と米国より優位に立っており、有用な教訓を提供しています。

シンガポールは過去10年間、教育評価のトップにあり、教育大国としての地位は、最新のTIMSSとPISAのランキングでトップを奪うことからも証明されています。シンガポール歴史的には、都市の学術水準が低く、教育制度がタイと多くの類似点を共有していましたが、すべてのレベルで高度に文書化され、統一したことが成功を導きました。シンガポールはこれまで、教師中心の「黒板と対話」による手法を使用していました。これはタイではまだ一般的です。しかし、1997年の金融危機以降、学習の量ではなく質に焦点を当てた新たな教育ビジョン「考える学校、学ぶ国家」を採用しました。

このビジョンは、一連の調整された取り組みが開始された包括的プログラムとなりました。国家の算数における堅実な基礎は、世界的な賞賛を得ている「数学のマスタリーメソッド」が成功したことによるものです。この方法の基礎は、実世界の状況を使って抽象的な概念を説明し、運動感覚を伴う活動によってコアスキルの開発することに十分な時間を費やすことです。そしてその各ステップで習熟することを求めます。彼らは各項目を習得するまで次のステップには進みません。

このアプローチは、生徒が基本をマスターする前に高度な概念を導入し、非常に厳しいカリキュラムを設定するタイのシステムと大きく異なります。タイ教育省の低い学問水準への答えは、カリキュラムをより困難にすることでしたが、実際には生徒に基礎を習得させ、強固な基盤を構築するために時間を費やすべきだったのです。

不当に非現実的なカリキュラムに直面した多くのタイの教師は、能力に関係なく失敗した生徒に合格を与えることがよくあります。タイの貧しい学問的地位は大部分この「失敗しない方針」のせいです。

さらに、シンガポールの生徒は小学校3年生になって科学の勉強を始めますが、タイは小学校1年生に適応、進化、種の分類などの複雑な科学的概念を導入します。シンガポールの生徒より早く始めていますが、そのリードはすぐに失われます。平均的な15歳のシンガポール人は、学問的にはタイの学生より3年進んでいます。 

より多くのデザイナーを産む教育

チャナパタナ国際デザイン協会(CIDI)によると、タイの教育システムは、デザイン業界の持続可能な発展に必要な熟練した人材を提供することができていません。

CIDIのサコルン・スクスリウォン教授は、タイのデザイナーには少なくとも2つの強みがあると語りました。

第一に、彼らは大胆な特徴を持つ独特のデザインにつながるユニークな文化を持っています。第二に、彼らの創造性は誰にも負けません。これは、タイが多文化国であることの結果であり、タイのデザイナーの仕事をより面白くする幅広いデザインスペクトルをもたらします。

「それにもかかわらず、私たちのデザイン教育システムと繋がりは、グローバルデザイン分野での成長の可能性を制限している弱点です。」

「デザイン分野でのタイの教育はもともと才能を持つ人々のためのものでした。しかし、私たちは、適切なカリキュラムの元では、熱心な学生が国際基準を満たすことを助けることができると考えています。」

「第二に、タイは国際的なデザイン市場との繋がりがありません。その結果、タイのデザイナーは、国際市場で仕事を発表する機会が不足しています。」

「それゆえ、私は政府がデザイン教育を支援し、タイのデザイナーのための国際市場を提供するという、この2つのことに焦点を当てるべきだと思います。」

サコルン氏は、タイには、繊維産業のような上流や下流の強力な産業があり、デザイン業界を構築することが可能であると語りました。さらに、タイはデザイン業を重要視し始めています。

そしてそれはブランドデザインだけでなく、個人のアイデンティティに合ったデザインにも言えます。これらの要因は、業界を推進する上で大きな役割を果たしています。

タイをデザインの卓越性の中心にするためには、さらに3つの分野に焦点を当てる必要があります。サコルン氏は、

1.国際化。我々は国際市場と競争に焦点を当て、タイ国内のみに焦点を当てて自分自身を制限してはならない。

2.コラボレーション。海外から有能な教授を招き、スキルを磨くためにデザインで有名な国にデザイナーを送り出すなど、世界中のデザインとデザイン教育のネットワークを構築するのを手助けする必要があります。

3.プロフェッショナリズム。私たちはデザインにおいてプロフェッショナルでなければならず、インスピレーションから商業化に至るまで自分自身を成長させ、チェーンの一部になるだけでは満足してはなりません。

CIDIは2000年に非営利団体として設立されました。フラ・サモンコニャラヤン財団の支援を受けており、国際的に活躍する熟練したデザイナーの育成という使命を持っています。

タイがアセアン地域のデザイン界の中心になるように、設立されたCIDI


「タイ4.0」の政策は、産業、技術、創造性、革新に焦点を当てて国家経済を推進しています。結果として、タイをその方向に向けるには十分な数の熟練したデザイナーが鍵となります。

サコルン氏は、「上流からのソリューションは、タイのファッション業界の地位を、受注生産からブランド構築、付加価値、そして本当に持続可能なビジネスに変えるでしょう」と述べました。

彼は、CIDIはタイ4.0のような政策が始まる前から、何年もの間、国を創造的な経済に変えようとしていると指摘しました。

「付加価値製品を開発するには、デザインを製品に組み込む必要があります。デザイン作業を行うためには、デザイナーが必要です。だから私たちは熟練したデザイナーを育てるために全力を尽くしています。 」

「こうして私たちは創造的な経済システムに向かって国を押し進める上で仮想的な役割を果たしていると信じており、実際に多くの卒業生がファッションデザインとインテリアやプロダクトデザイン産業の両面で独自のブランドを創り上げています。」

現在、タイの市場需要は、資格を有するデザイナー供給を超えています。

大学は手頃な学士号プログラムを提供していますが、応募者は入学試験を受けなければならず、限られた数しか受け入れられません。また、卒業までに4年かかります。

私立学校では、多くの学生にとって授業料が高すぎます。これらの事柄は、タイが創造的な経済に完全に移行するのを妨げる可能性があります。

CIDIによると、CIDIはデザインで有名な国の講師が指導する英語プログラムを提供し、この分野のタイの教育基準を改善し、各生徒に最善を尽くし、学生の視野を広げており、世界のデザイン基準を理解できるようにしています。2016年、織物、アクセサリー、皮革製品を含むタイのファッションデザイン業界は6,000億バーツ以上の輸出価値を持ち、ファッション産業全体で250万人以上の雇用を創出しました。

昨年のタイの国内総生産(GDP)は約11兆8000億ドルで、ファッションデザイン業界は約5%もの貢献をしています。

新しい教育改革

「外国の大学は、品質保証を示す必要があります。」

ティーラキアト氏によると、これまでも外国の大学はタイに来て、タイの大学との共同経営を行うことができましたが、タイの大学制度に従わなくてはならず、「あらゆる面で極端に厳重な官僚制度」の対象となっていました。例えば、「独自の学位を授与することはできません。彼らはただのパートナーなのですから。」と語りました。

「この新しい法令の下でのアイデアは、彼ら独自の学位を授与することができ、彼ら自身の指導法を行い、自分たちの保有する教授を招くことができるということです。また、非常に優遇された税制上の上限があります。したがって、例えば、タイの高所得者には37%の税率が課されますが、17%の税率で課税されます。」と語りました。ティーラキアト氏は、日本の42の大学が既にバンコクに代理人を派遣していると述べました。「彼らはすでに変化を待っているのです」と彼は言ました。

さらに、米国のカーネギーメロン大学がバンコクの大学と共同でデジタル技術の学位を設定することに興味を持っていることを付け加えました。「彼らは独自の学位を授与したいのです。」

競争上の懸念

誰もが新しい政策を歓迎しているわけではありません。バンコク国立発展行政大学院の応用統計学研究科のリスク管理学講師アーノルド・サクウラウィッチ氏は、人口の減少により高等教育市場が縮小すると、タイの国境にある海外の分校がタイの大学を脅かす可能性があると指摘しました。

昨年の入学時には、入学試験を受けるために大学には15万人までの空きがありましたが、8万人しか入学しなかったとバンコク・ポスト紙は語っています。

しかし、ティーラキアト氏は、「コースは異なるターゲットグループのために行われるため、タイの大学から生徒を獲ってしまうことを心配するべきではありません。」と述べました。

“また、これは市場主導型です。彼らが生徒を獲得することができなければ、彼らは失敗するでしょう。彼らはそれで終わりなのです。」とティーラキアト氏はユニバーシティ・ワールド・ニュースに語りました。「もし彼らが来れば、すべてのルールから免除されますが、彼らは地方の大学との競争に勝たなくてはなりません。彼ら次第なのです。」

モンクット王工科大学ラートクラバン校学長であり、タイ学長委員会議長を務めるスシャシャウィー・スワンサワット教授は、この変更が国の教育と研究環境を改善すると同時に、タイの大学が外国の大学から学ぶことを可能にすると述べました。

特別地域における外国の大学を大臣が許可

タイは、プラユット・チャンオチャ首相が率いる内閣と軍事政権によって先週承認された計画のもと、外国の大学が特別経済区域で活動することを可能にする新たな法令を国家平和秩序評議会において制定する予定です。

「法律はこれを認めておらず、(外国の大学にとって)非常に厳しいものとなっています。私の政策として、外交大臣に憲法第44条に基づいて規制から免除して外国の大学の設立を許可するよう求めています。おそらく今週中に署名されるでしょう。」とタイのティーラキアト・ジャレオンセッタシン教育相は、水曜日にUniversity World Newsに語りました。

「既に同意されています。第44条の下では、非常に単純な判決になるでしょう。関心のある方々はぜひ来てください、通常のルールから免除されるでしょう。」 憲法第44条は、軍事政権に絶対的な権利を与えます。

報告書によると、暫定憲章第44条に基づく軍事政権規則では、関心のある国や機関との協議が始まる前に、官報に公表されなければなりません。

ティーラキアト氏によると、英国議会のGoing Global 2017会議では、日本、米国、英国などが関心を示しているとのことです。

これが、大学が長期計画を立てるための安定性を提供するでしょう。「第44条は残るでしょう。今後の政権は、これを憲法の一部であるために取り消すことができません。」と彼は語りました。

外国の大学支部の認可は、昨年のタイ内閣で承認され、ラヨン、チョンブリ、チャチョンサオの3つの東部の州を含むEEC(Eastern Economic Corridor)に設立を希望する人々から始まります。この計画の下で、EECは、新たなイノベーション主導の経済モデルである「タイ4.0」と呼ばれる計画の下、特に医療、スマート・エレクトロニクス、農業およびバイオテクノロジー、航空、バイオ燃料、およびデジタル・サービスなどの産業に、直接的に今後5年間で430億ドルの外国投資を期待しています。

スキルのギャップ

EECはすでに、外国投資の煩雑なルールを単純化や免除をしており、 産業に税控除を設けています。外国の大学は、これらの産業が拡大するにつれて生まれるスキルのギャップを埋めるために不可欠です。

海外の大学が「MBAの部門のようにタイ人ができる、普通の学部を開設したいだけなら、我々の目的には合致しないので、許可しません。私たちは自国ができない科学技術を提供する大学に焦点を当てています。特定の職業スキルに焦点を当てた機関であっても、来ることができます。」とティーラキアト氏は述べました。

教育相が議長を務める委員会がどの機関とプログラムが受け入れられるかを決定します。「彼らが興味を持ったら、私たちは彼らを招待し、提案を見ますが、遅れたくはありません。

同委員会は「国際基準」となる品質管理体制を構築する予定です。

特別経済区における他国機関の大学設立を許可

タイは、スキル不足に取り組むために、外国機関が特別経済区に大学を設立することを許可する予定です。


(経済特区新設が予定されているメーソート県)

この計画は、内閣と国家平和秩序評議会(NCPO)のジョイントミーティングにおいて許可が降りている。

計画を実施するために、暫定憲法第44条の下でNCPO長官としてプラユット・チャンオチャ首相が権限を行使する必要があると、ササン・ケウカマネルド政府広報官は述べました。

ティーラキアト・ジャレオンセッタシン教育相によると、計画はいくつかの規則の免除を必要としているので、第44条が解決策です。

「高等教育委員会の通常の規則を遵守すれば、そのような大学が始動するには時間がかかりすぎるでしょう。長い間待っていれば、タイは新しい時代のために必要な人的資源を産みだすことができないかもしれません。」とティーラキアト氏は言います。

同氏は、タイでは、まだ大学でロボット工学と電車のプログラムが不足していると指摘しました。

「しかし、タイランド4.0を達成することに目を向けています。」と述べた。

ササン氏によると、外国の教育機関は、タイでは利用できないコースを、主に特別経済地域のタイの学生に提供することが許可されます。また、タイの規制を遵守し、すべての大学レベルのコースの基準を満たす必要があります。

内閣はまた、外国機関がタイで職業訓練プログラムを提供することを望んでいました。しかし、タイの専門学校との競争を防ぐためには、より厳しい要件が満たされなければなりません。